忍者ブログ

八巻日記

日常+漫画・アニメの同人系etc

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

おひさしぶりでーす。今週のヤンマガ、ついにケンちゃんの正体がバレちゃったのを読んで、思わず数十分で書き上げたやつ笑↓ 明、病んでますので苦手な方注意





血を欲する本能に耐え切れず、気がつくと西山の時と同じように加藤の首筋に噛み付いていた

喉が濃厚な血で潤うと、急速に理性が覚醒する
顔を上げると、口を半開きに目を見開く明と
青ざめ驚愕した表情の田中さんが俺を見下ろしていた

「………」

もう、一緒にはいられない

吸血鬼であることがバレたら、明たちにとって俺は仲間ではない

数回瞬きをした明が、ゆっくりと日本刀を構える

「…明」

自分でも驚くくらい掠れて弱弱しい声だった

だが、明に殺されるなら構わないと思った
むしろ明で良かったと思う

加藤から離れると大人しく地べたに座り込んだ

「ケンちゃん…大丈夫だよ」
「?…」

明の穏やかな声に顔を上げ、思わず悲鳴のような引きつった音が喉の奥で詰まる

「っ……!」
「血が飲みたくなったら、俺がやるから」

明の言葉に田中さんが一歩後退した
「あ…明さん」

田中さんは俺にではなく、明に怯えていた

明は口角を上げ、顔に笑みを浮かべている
だが目が、ゾッとするほど冷たい
どこか虚ろで、洞窟のように暗い色をしている

…まるで

雅のようだ

 

「明…お前…」
俺の言葉を遮るよう明は話し出した

「血さえ飲んでれば普通なんだから、大丈夫だ。そうだろ?ケンちゃんは俺の味方だよな?」

驚いたことに、明の刃先は意識が朦朧としている加藤や田中さんへ向けられている

「誰にも殺させない。俺は兄貴を連れ戻す為にこの島に来たんだ…これ以上俺から大切なものを奪う奴は許さない」
「?…」
「大丈夫だよ兄貴、俺が一生血を与え続けるから。本土に帰ろう、雅なんかどうでもいいよ」
「明…どうし…」
「ケンちゃんは俺の親友なんだ…ケンちゃんだけは…俺の敵じゃない。なぁ、早く帰ろう。お袋達も兄貴が帰るの待ってるよ」

明の言ってる言葉は支離滅裂だった

相変わらず光のない目が空を漂っている
田中さんは木の陰で震え、恐怖のあまり動けずにいる

「明」
「涼子さんなんかどうでもいいだろ?!今頃、もう雅の屋敷に連れていかれてるよ!なぁ、ケンちゃん」

俺は立ち上がって明を強く抱きしめた

「明、スマン。感染してしまった。もうお前達とはいられない…だが、ユキだけは助けたいんだ」
「ケンちゃん、俺と一緒にいてくれよ。小さい頃からずっと一緒だったろ…これからも一緒にいてくれよ」
「時間がない。ユキを助けるまでの間、俺に協力してくれ」
「ヤダよ!!兄貴!どこに行く気だよ?!また俺を置いていくのか?!」

嫌だ嫌だ、と子供のように泣きじゃくり
腕の中で暴れる明を唖然と見つめた

狂ってる


明が狂った…

その事実に愕然とし立ち尽くしていると、ソロソロと怯えた足取りで田中さんが近づいてきた

「…田中…さん」
「ケンさん」

目が合うと、田中さんは真っ直ぐ俺を見据えた
「明さんの傍にいてください」
「でも…俺は…」

この島では吸血鬼は一人残らず殲滅するのが掟
それに従って篤も、田中さんの母親も殺した

明にとって親友の俺も例外ではい

戸惑う俺を見て田中さんは首を緩く振った
「明さんだけが雅を殺れる…明さんがダメになったらこの島は終わる」

そして今、明が理性を保てるかどうかの瀬戸際


「明、俺はどこにもいかない。お前の傍にいるから」

出来るだけ優しくゆっくりと言い聞かせるように言うと、明は暴れるのを止めた

「ケンちゃん…俺、ケンちゃんを失ったら何も無くなっちゃうよぉ…」
涙でぐしゃぐしゃの顔を胸元に押し付け、ブツブツと繰り返しつぶやくと
不意に刀を田中さんに向けた

「ひツ!!」
田中さんの短い悲鳴に明は壮絶な笑みを浮かべた

「みんな殺そう。兄貴。…人間も吸血鬼も。俺たちがいればそれでいい…だろ?」
「明!よせっ!」
「俺から大切なものを奪う奴は許さない」

俺は明の両肩を掴んでこちらを向かせると、その頬を強く引っ叩いた

「ッ!!」
叩かれた頬が腫れ、口の端から血が滲む
唇を寄せ、その血を舌先で丁寧に舐めとった

「…明」
「ケ…ケン…ちゃ…」

驚いたショックで明はようやくまともに俺の目を見た

「美味い」
俺は出来るだけ軽い調子でニヤリと笑って見せた

「なぁ、明。お前さえよければ、こうしてたまに血をくれ」
「ケンちゃん」
「そうしたら、俺は凶暴にならない。お前の傍にいられる」

な?と、片目を瞑ると明も二・三度瞬きをして、ようやく安心したように肩の力を抜いた
そして我に返ったように田中さんと加藤を見た

「田中さん、加藤を頼みます。俺たちは先を急ぐ」
いつも様子に田中さんがホッとしたように、固い笑みを浮かべた

「はい!大丈夫です。明さん」

何事もなかったかのように、歩きだす明の背を見て、俺は田中さんに視線をやると
田中さんは苦しそうに目を伏せた

「明さんは…ケンさんだけが最後の砦だったんだ。我々が思ってる以上に篤さんを手にかけたことを悔やんでいたんですね」

先ほどの明の言動を思い出す
篤と俺を判別できていない様子は狂人そのものだった

炭鉱で篤が赤黒い目と牙を見せたときと
加藤を襲う俺の姿が重なったとき
明の中で最後の拠り所が崩壊したんだろう

「仲間の中でも俺は親友だったから…」

 

今や邪鬼をも一人で殺す明は
レジスタンスにとって最強の戦力だ

だが逆に敵になってしまうとこれほど危険な存在はない

もし明が発狂し、敵も味方もなく殺戮に走ったら…雅たちよりタチが悪いと言える

俺だけが明を此方側に引き止めることが出来る
その重大な役割の元、存在することが許されるなら…明の傍にいたい

 

明…すまない

明の背に何度も詫びながら
ユキを救出すべく足を踏み出した


 

拍手[4回]

PR
ついに恐れていたことが…ケンちゃん(大泣)うう。ショックでめちゃ鬱入る…。

っつーか、感染するなら再登場の時に感染済みだったら良かったのにッ!あんな感染する様を見るとホント衝撃。ううううう…ケンちゃああんッ。あとちょっとで明に会えたのに!あとちょっとで感染するなんてッ

ケンちゃん死にそう~。初期にポンが死んでから仲間が一人も死んでないから今更死なれるとすごく悲しい。

「明…俺を殺せ」
「っ!そんなこと、出来ない!」

う~んvケン明…萌えですね

拍手[0回]

今日から11月ですね。早いものです。どうもそろそろサイトも1年経つようです。(開設日覚えとこーよ自分)(lll-ω-)
篤明「暗色」更新しました+。:.゚ヽ(*´∀`)ノ゚.:。+…ハチマキの小説はタイトルが全部「色」を表す語なんですが、何故というと小説のタイトルがないから。小説全体のイメージカラーをタイトル代わりにしてるんです。
小説の題名がないって考えりゃーいーじゃんって感じですが(笑)あまり重要じゃないかなと思って。
暗色なイメージの小説です。暗そ~ッ笑。でもそんなに暗くないつもりです。

突然ですがしばらくネット落ちします!!ごめんなさーい。
メルチェックはしていますので御用の方はメルorオエビに書きこんで下さいませvでは、ドロン。
((*´Д`)ノ.:。:*ォチマース.:☆。:ヾ(´Д`、)バイバイ★

拍手[0回]

ケンちゃん…明が生きてることが嬉しくて泣いてますヨヨヨ~。ホント明が好きなんだなァ
そして!かとォーーッ!!余計なことをッ!ホントダメな奴です。「ケンちゃんの奴もうユキを助け出してるかも」
負い目を感じてみんなの前に出てこれないケンちゃん…泣。かわいそォ~過ぎるッ
ユキがとっくに明に乗り換えてるとも知らず、助けれなかった責任を感じてる…ケンちゃんッ。
吸血鬼の話でユキは雅に献上予定らしい。雅の好みじゃないと思うんですよユキは。
なんか涼子さん系が好きそう。
明の女ってことで興味は持ちそうだけどね。邪鬼が見張ってるってことで明に助けを求めることにしたケンちゃん。そんな低い枝に登ってたら普通に見つかるだろッ!枝が折れそうとかそんな問題よりちょっと見上げると普通に視界にはいる位置じゃねーの?!大量の吸血鬼に追われてる…すっげ近いッ!すぐ後ろまで迫ってるじゃん!しかし、不意打ちとはいえ一発で吸血鬼を仕留めるあたり強くなってる!かっこいいーッ
今週もケンちゃんイメージの明、爽やかな笑顔を見せています。明に会えると思うと嬉しくて笑みがこぼれてしまうケンちゃん。どんだけ明が好きなんだぁーーーッ!!
そろそろ雅!登場しそう!一年も出てないもんなぁ。そろそろあの馬鹿笑いが聞きたいとこです笑

拍手[0回]

1 ][ 2 ][ 3 ][ 4 ][ 5 ]

<< 前のページ  [[ INDEX ]]  次のページ >>

カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新CM
[04/20 至村ミト]
[02/05 ハチマキ]
最新TB
プロフィール
HN:
ハチマキ
性別:
女性
趣味:
道に落ちてる小物を拾うコト
自己紹介:
ラーメン・ネコ・紅茶・お菓子が好物の腐女子デス。
ただいま彼/岸島と戦/国/バ/サ/ラにハマり中。
日常やいろいろな漫画・アニメについて広く浅く語りマス。
気軽ぅーにコメントして下さい(*´ω`*)vv
バーコード
ブログ内検索
最古記事
カウンター
アクセス解析
PR

[PR]